有限要素法(マトリクス法)による送電鉄塔の応力解析(1) 2/9
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2. 平面トラスの部材剛性マトリクス
有限要素法の教科書ではこの後、フックの法則やエネルギー保存則といった話になるのだが、私達が実務をする上で知りたいのは、具体的な問題をどう解くのかである。
結論を言うと、任意のi-j部材(トラス材)の材端力(外力)と材端変位の関係の一般式は以下の様になる。 (実務上は「こういう物だ」との理解で何ら問題ない)
ここで、c=cosθ、s=sinθ
X,Yは各節点の材端力、u,vは各節点の変位
Eは部材の弾性係数、Aは部材の断面積、lは部材の長さである。上式は以下の様に表すことが出来る。
それぞれ、
を材端力ベクトル
を剛性マトリクス
を材端変位ベクトル
と呼ぶ。剛性マトリクスと呼ばれるのはの部分であるが、 全体の見通しを良くするために、材端力ベクトルと材端変位ベクトルも含めた式で以下説明する。
今回題材とする鉄塔頂部の節点番号を以下の様に定義し、節点1からXの正方向に1.00の外力(材端力)を作用させる。
部材は部材1-2と部材1-3の2本なので、上に示した部材の剛性マトリクスも全部で2つ出来ることになる。このモデルでは「部材1-2」と「部材1-3」の長さ、断面積は同じなので、計算も簡単である。