有限要素法(マトリクス法)によるラーメンの応力解析 1/14
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有限要素法(マトリクス法)によるラーメンの応力解析
1.はじめに
今回は有限要素法(マトリクス法)によるラーメンの応力解析に取り組んでみる。 電気協同研究 第58巻 第3号のP245に「ラーメン構造を有する基礎」についての解説が有り、P256には設計事例が有る。 電協研ではたわみ角法によりラーメン構造の応力解析を行っているが、ここではより精密かつ応用範囲の広い有限要素法での応力解析を試みる。
<たわみ角法と有限要素法の違い> たわみ角法とは部材の「曲げ変形」のみを考え、軸変形やせん断変形は考えずにモーメントを計算する手法であり、 コンピューターを使わず手計算でラーメンや連続梁などの不静定構造物を解く場合の代表的な方法である。 たわみ角法は一般の建築構造物に対しては十分実用的な精度を持つが、必ずしも厳密解ではない。
一方、有限要素法は軸変形、せん断変形、曲げ変形といった全ての自由度※を求めることが出来るのでより精度の高い解析手法と言える。 有限要素法は自由度を未知数とし、その多元連立方程式を一挙に解くという、いわば「力技」のような手法であり、未知数が多くなるに従い解くことが非常に困難になる。 しかし、コンピューターの高性能化によりこの問題は一気に解決され、今では構造物の応力解析としては最も一般的で信頼性の高い手法であろう。
※節点に存在する未知の変位成分を自由度という
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